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月別アーカイブ: 2025年2月

第7回鉄筋組立工事雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社フテン、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~鉄則~

ということで、今回は、本記事では、鉄筋工事の鉄則を「設計・準備」「施工技術」「品質管理」「安全管理」「効率化」「環境対応」の6つの視点から詳しく解説します♪

 

鉄筋工事は、建築や土木工事において構造物の強度を確保する最も重要な工程の一つです。鉄筋を適切に配置し、コンクリートと一体化させることで、高層ビル、橋梁、ダム、トンネルなどの強固な構造物を作り上げることができます。しかし、鉄筋工事は単なる組立作業ではなく、精密な計画・正確な施工・厳密な品質管理・安全対策が求められます。


1. 鉄則① 設計と準備の徹底|施工精度を左右する計画の重要性

① 正確な図面確認と施工計画

鉄筋工事では、設計図や施工図(配筋図)を正確に理解することが重要です。

配筋図のチェックポイント

  • 鉄筋の本数・直径・長さが設計基準に適合しているか
  • 継手(つぎて)や重ね継手の位置・長さが適切か
  • 開口部(ドア・窓・配管スペース)周りの補強筋が正しく配置されているか

施工計画の重要性

  • 鉄筋加工・運搬・組立の流れを事前に整理し、現場での混乱を防ぐ
  • 必要な鉄筋を事前に工場で加工し、現場でスムーズに組み立てるプレハブ化を活用

計画段階でのミスは、施工時に大きな問題を引き起こすため、事前の確認が施工の品質を決めると言っても過言ではありません。


2. 鉄則② 正確な施工技術|鉄筋の配置と結束の徹底

① 配筋の正確な配置と固定

鉄筋の配置ミスやズレは、コンクリート打設後の構造強度に大きな影響を与えます。

適切なかぶり厚を確保する

  • コンクリートのかぶり厚(鉄筋とコンクリート表面の距離)が不足すると、鉄筋が錆びやすく耐久性が低下する
  • スペーサー(サドル)を使用し、適正なかぶり厚を確保する

定められたピッチで鉄筋を配置する

  • 鉄筋同士の間隔(ピッチ)を均等に保つことで、コンクリートの強度が均一になる

結束線(なまし鉄線)でしっかり固定する

  • 手結束(手作業)または鉄筋結束機を使用し、鉄筋が動かないように固定
  • 結束の際に強く締めすぎると鉄筋が変形するため、適度な締め付けが必要

② 継手(つぎて)の適正管理

鉄筋の継手は、構造の強度を確保するために厳密に管理されなければなりません。

継手の種類と施工方法

  • 重ね継手(ラップスプライス):鉄筋を一定の長さで重ねて固定(一般的な施工方法)
  • ガス圧接(溶接継手):鉄筋同士を加熱・圧接して接合(高強度が求められる箇所に使用)
  • 機械式継手:専用カプラーを使用して接続(精度が高く、施工時間を短縮可能)

継手の長さを確保する

  • 適正な重ね長さ(設計基準に準拠)を確保し、強度不足を防ぐ

3. 鉄則③ 品質管理|構造強度を維持するための検査と管理

鉄筋工事では、施工後の検査が極めて重要です。施工ミスを未然に防ぐため、以下の品質チェック項目を徹底します。

配筋検査の実施

  • 配置が設計図通りになっているか
  • 継手の位置と長さが適切か
  • かぶり厚が確保されているか

第三者機関による確認

  • 現場監督や品質管理者が検査を行い、施工ミスを防ぐ
  • 必要に応じて超音波探傷検査(UT)や鉄筋探査機を使用して品質確認

品質管理を徹底することで、長期的に安全な構造物を作り上げることができます。


4. 鉄則④ 安全管理の徹底|作業員のリスクを最小限に抑える

① 鉄筋工事における主な危険要因

鉄筋工事の現場では、転落・落下・刺傷・重機との接触などのリスクが伴います。

高所作業時の安全対策

  • フルハーネス型安全帯の着用を徹底し、転落防止を図る
  • 足場を安定させ、安全ネットを設置

鉄筋の端部処理を徹底

  • 先端部分を保護キャップ(鉄筋キャップ)でカバーし、刺傷事故を防止

重機との接触事故を防ぐ

  • クレーン・揚重機を使用する際は、誘導員を配置し、安全確認を徹底

安全管理は現場全体の士気を高めるためにも欠かせません。


5. 鉄則⑤ 効率化とコスト管理|生産性を向上させる工夫

プレハブ工法を導入する

  • 工場で鉄筋をあらかじめ加工し、現場では組み立てのみを行うことで施工時間を短縮

デジタル技術を活用

  • BIM(Building Information Modeling)を用いた3Dシミュレーションで施工計画を最適化

無駄な材料を削減

  • 鉄筋の発注時に歩留まり(使用率)を考慮し、無駄のない発注を行う

6. 鉄則⑥ 環境への配慮と持続可能な施工

リサイクル可能な鉄筋を活用

  • リサイクルスチールを採用し、環境負荷を軽減

低CO2排出の施工方法を選択

  • エココンクリートと組み合わせた鉄筋工事で環境負荷を削減

7. まとめ|鉄筋工事の鉄則を守り、安全で高品質な施工を実現

正確な設計と計画を徹底し、施工ミスを防ぐ
適正な配筋・継手管理・結束方法を守り、強度を確保
品質管理を徹底し、耐久性の高い建築を実現
安全対策を徹底し、事故を未然に防ぐ
生産性を向上させ、効率的な施工を実施

これらの鉄則を守ることで、長期間安全に使える高品質な建築物を実現できるのです。

 

 

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第6回鉄筋組立工事雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社フテン、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~歴史~

ということで、今回は、本記事では、鉄筋工事の歴史、技術の進化、そして現代の建築における役割と課題について詳しく解説します♪

 

現代の建築や土木工事において、鉄筋工事(鉄筋組立工事)は欠かせない技術のひとつです。鉄筋はコンクリートと組み合わせることで、高い強度と耐久性を実現し、高層ビルや橋梁、ダム、トンネルなどの大型構造物を支えています。

しかし、この鉄筋工事がどのように発展してきたのか、その歴史と背景について深く理解している人は少ないかもしれません。


1. 鉄筋工事の始まり|鉄筋コンクリートの誕生

① 古代の建築技術と鉄筋の登場前

人類の歴史において、建築技術は石や木材を主体とするものでした。

  • エジプト文明(紀元前3000年頃):ピラミッドは石積み構造で建設。
  • ローマ帝国(紀元前1世紀〜):石とレンガを組み合わせたアーチやドームが発展。
  • 中世ヨーロッパ(5〜15世紀):ゴシック建築では石造技術が進化。

この時代には鉄筋コンクリートの概念はなく、建築物は主に石や木材で作られていました。


② 鉄筋コンクリート(RC)の発明(19世紀後半)

現在の鉄筋工事の基盤となる「鉄筋コンクリート(Reinforced Concrete, RC)」は、19世紀後半に誕生しました。

フランス人園芸家ジョゼフ・モニエ(Joseph Monier)の発明(1867年)

  • モニエはコンクリート製の植木鉢を補強するために鉄網を埋め込むことを考案。
  • これが鉄筋コンクリートの原型となり、特許を取得。

フランスの建築家フランソワ・アンヌビック(François Hennebique)の発展(1892年)

  • 鉄筋をコンクリート内部に適切に配置し、建築材料として本格的に活用。
  • コンクリートは圧縮に強いが引張に弱い → 鉄筋を入れることで引張強度を補うという基本原理が確立。

欧米での普及(20世紀初頭)

  • 鉄筋コンクリートの耐久性と耐火性が評価され、橋梁やビル建築に採用されるように。
  • 1920年代にはアメリカで超高層ビル建設に導入され、大規模な都市開発が進展。

2. 日本における鉄筋工事の歴史

① 明治時代(19世紀末〜20世紀初頭)|鉄筋コンクリートの導入

日本に鉄筋コンクリートが導入されたのは、明治時代(1868〜1912年)のことです。

最初の鉄筋コンクリート建築(1903年)

  • 日本初の鉄筋コンクリート建築は東京・鹿鳴館の改築で使用されたと言われる。
  • フランスで学んだ建築家が鉄筋コンクリート技術を日本に持ち込む。

関東大震災(1923年)によるRC建築の普及

  • 関東大震災で多くの木造建築が崩壊し、耐震性の高い鉄筋コンクリートが注目される。
  • 震災後の復興計画でRC造の建築が急増し、鉄筋工事が本格的に普及。

② 昭和時代(20世紀中盤)|高度経済成長と鉄筋工事の発展

戦後の日本では、高度経済成長(1950〜1970年代)とともに、都市開発が進み、鉄筋工事の需要が飛躍的に増加しました。

1950年代:鉄筋コンクリートビルの普及

  • 官公庁舎、学校、病院、マンションなどで鉄筋コンクリート構造が主流に。
  • 鉄筋加工・組立の技術が向上し、職人の専門化が進む。

1960年代:東京オリンピック(1964年)による建設ラッシュ

  • 高速道路、新幹線、競技場、ホテルなどで大規模な鉄筋工事が必要に。
  • **プレキャストコンクリート(工場で製造したコンクリート部材)**の導入により、施工スピードが向上。

1970年代:超高層ビル時代の到来

  • 霞が関ビル(1968年、日本初の超高層ビル)を皮切りに、RC造の高層建築が増加。
  • 鉄筋の耐震設計が進化し、より安全な建築が可能に。

3. 現代の鉄筋工事|最新技術と持続可能性

① 高度な耐震技術の導入

  • 1995年の阪神・淡路大震災を契機に、耐震基準が強化。
  • 免震・制震技術の発展により、高層ビルや公共施設の耐震性が向上。
  • 高強度鉄筋(SD390・SD490)の採用で、耐震性が向上。

② 鉄筋工事の省力化と自動化

  • 鉄筋のプレハブ化(工場で加工し、現場で組み立てる方式)が進む。
  • 鉄筋結束ロボットの導入により、職人の負担を軽減。
  • BIM(Building Information Modeling)技術で、3D設計による精密な施工計画が可能に。

③ 環境対応と持続可能な鉄筋工事

  • リサイクル可能な鉄筋(リサイクルスチール)の利用が進む。
  • CO2排出量を削減するエココンクリートと組み合わせた持続可能な建築技術の開発。
  • ゼロエネルギービル(ZEB)への対応に向けた新技術の導入。

4. まとめ|鉄筋工事の未来と課題

鉄筋工事は、19世紀の鉄筋コンクリートの発明から発展し、日本では明治時代に導入された。
関東大震災、東京オリンピック、高度経済成長を経て、都市開発に不可欠な技術として進化。
耐震技術や省力化、自動化技術が進み、より安全で効率的な施工が可能に。
環境問題への対応として、リサイクル鉄筋やエココンクリートの活用が求められる。

鉄筋工事は、今後も都市の発展や持続可能な建築技術とともに進化し続けるでしょう。

 

 

 

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