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第6回鉄筋組立工事雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社フテン、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~歴史~

ということで、今回は、本記事では、鉄筋工事の歴史、技術の進化、そして現代の建築における役割と課題について詳しく解説します♪

 

現代の建築や土木工事において、鉄筋工事(鉄筋組立工事)は欠かせない技術のひとつです。鉄筋はコンクリートと組み合わせることで、高い強度と耐久性を実現し、高層ビルや橋梁、ダム、トンネルなどの大型構造物を支えています。

しかし、この鉄筋工事がどのように発展してきたのか、その歴史と背景について深く理解している人は少ないかもしれません。


1. 鉄筋工事の始まり|鉄筋コンクリートの誕生

① 古代の建築技術と鉄筋の登場前

人類の歴史において、建築技術は石や木材を主体とするものでした。

  • エジプト文明(紀元前3000年頃):ピラミッドは石積み構造で建設。
  • ローマ帝国(紀元前1世紀〜):石とレンガを組み合わせたアーチやドームが発展。
  • 中世ヨーロッパ(5〜15世紀):ゴシック建築では石造技術が進化。

この時代には鉄筋コンクリートの概念はなく、建築物は主に石や木材で作られていました。


② 鉄筋コンクリート(RC)の発明(19世紀後半)

現在の鉄筋工事の基盤となる「鉄筋コンクリート(Reinforced Concrete, RC)」は、19世紀後半に誕生しました。

フランス人園芸家ジョゼフ・モニエ(Joseph Monier)の発明(1867年)

  • モニエはコンクリート製の植木鉢を補強するために鉄網を埋め込むことを考案。
  • これが鉄筋コンクリートの原型となり、特許を取得。

フランスの建築家フランソワ・アンヌビック(François Hennebique)の発展(1892年)

  • 鉄筋をコンクリート内部に適切に配置し、建築材料として本格的に活用。
  • コンクリートは圧縮に強いが引張に弱い → 鉄筋を入れることで引張強度を補うという基本原理が確立。

欧米での普及(20世紀初頭)

  • 鉄筋コンクリートの耐久性と耐火性が評価され、橋梁やビル建築に採用されるように。
  • 1920年代にはアメリカで超高層ビル建設に導入され、大規模な都市開発が進展。

2. 日本における鉄筋工事の歴史

① 明治時代(19世紀末〜20世紀初頭)|鉄筋コンクリートの導入

日本に鉄筋コンクリートが導入されたのは、明治時代(1868〜1912年)のことです。

最初の鉄筋コンクリート建築(1903年)

  • 日本初の鉄筋コンクリート建築は東京・鹿鳴館の改築で使用されたと言われる。
  • フランスで学んだ建築家が鉄筋コンクリート技術を日本に持ち込む。

関東大震災(1923年)によるRC建築の普及

  • 関東大震災で多くの木造建築が崩壊し、耐震性の高い鉄筋コンクリートが注目される。
  • 震災後の復興計画でRC造の建築が急増し、鉄筋工事が本格的に普及。

② 昭和時代(20世紀中盤)|高度経済成長と鉄筋工事の発展

戦後の日本では、高度経済成長(1950〜1970年代)とともに、都市開発が進み、鉄筋工事の需要が飛躍的に増加しました。

1950年代:鉄筋コンクリートビルの普及

  • 官公庁舎、学校、病院、マンションなどで鉄筋コンクリート構造が主流に。
  • 鉄筋加工・組立の技術が向上し、職人の専門化が進む。

1960年代:東京オリンピック(1964年)による建設ラッシュ

  • 高速道路、新幹線、競技場、ホテルなどで大規模な鉄筋工事が必要に。
  • **プレキャストコンクリート(工場で製造したコンクリート部材)**の導入により、施工スピードが向上。

1970年代:超高層ビル時代の到来

  • 霞が関ビル(1968年、日本初の超高層ビル)を皮切りに、RC造の高層建築が増加。
  • 鉄筋の耐震設計が進化し、より安全な建築が可能に。

3. 現代の鉄筋工事|最新技術と持続可能性

① 高度な耐震技術の導入

  • 1995年の阪神・淡路大震災を契機に、耐震基準が強化。
  • 免震・制震技術の発展により、高層ビルや公共施設の耐震性が向上。
  • 高強度鉄筋(SD390・SD490)の採用で、耐震性が向上。

② 鉄筋工事の省力化と自動化

  • 鉄筋のプレハブ化(工場で加工し、現場で組み立てる方式)が進む。
  • 鉄筋結束ロボットの導入により、職人の負担を軽減。
  • BIM(Building Information Modeling)技術で、3D設計による精密な施工計画が可能に。

③ 環境対応と持続可能な鉄筋工事

  • リサイクル可能な鉄筋(リサイクルスチール)の利用が進む。
  • CO2排出量を削減するエココンクリートと組み合わせた持続可能な建築技術の開発。
  • ゼロエネルギービル(ZEB)への対応に向けた新技術の導入。

4. まとめ|鉄筋工事の未来と課題

鉄筋工事は、19世紀の鉄筋コンクリートの発明から発展し、日本では明治時代に導入された。
関東大震災、東京オリンピック、高度経済成長を経て、都市開発に不可欠な技術として進化。
耐震技術や省力化、自動化技術が進み、より安全で効率的な施工が可能に。
環境問題への対応として、リサイクル鉄筋やエココンクリートの活用が求められる。

鉄筋工事は、今後も都市の発展や持続可能な建築技術とともに進化し続けるでしょう。

 

 

 

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